[相談]
私は暗号資産取引を行っています。
聞くところによると、令和8年度税制改正により、特定暗号資産取引に係る譲渡損失の繰越控除の規定が創設されたそうですが、その概要を教えてください。
[回答]
令和8年度税制改正では、暗号資産のうち、特定暗号資産を暗号資産取引業者に対して譲渡等をしたことにより生じた損失の金額のうち一定額について、その年の翌年以後3年内の各年分の特定暗号資産に係る譲渡所得等の金額からの繰越控除を可能とする規定が創設されました。詳細は下記解説をご参照ください。
[解説]
令和8年度税制改正では、所得税法上、居住者又は恒久的施設を有する非居住者が、暗号資産(その名称が金融商品取引業者登録簿に登録されているものその他の一定のものに限ります。以下「特定暗号資産」といいます)の譲渡(※1)をした場合には、その特定暗号資産の譲渡による事業所得、譲渡所得及び雑所得については、他の所得と区分し、その年中のその特定暗号資産の譲渡に係る事業所得の金額、譲渡所得の金額及び雑所得の金額として一定の方法により計算した金額(特定暗号資産に係る譲渡所得等の金額)に対し、特定暗号資産に係る課税譲渡所得等の金額の15%に相当する金額に相当する所得税を課する(分離課税)こととされました。
※1 暗号資産取引業者への売委託により行うもの又は暗号資産取引業者に対するものに限ります。
さらに、令和8年度税制改正では、所得税の確定申告書を提出する居住者等が、その年の前年以前3年内の各年において生じた特定暗号資産に係る譲渡損失の金額(※2)を有する場合には、その特定暗号資産に係る譲渡損失の金額に相当する金額は、その確定申告書に係る年分の特定暗号資産に係る譲渡所得等の金額を限度として、その年分のその特定暗号資産に係る譲渡所得等の金額の計算上控除するという規定が創設されました。
なお、この規定は、居住者又は恒久的施設を有する非居住者が特定暗号資産に係る譲渡損失の金額が生じた年分の所得税につきその特定暗号資産に係る譲渡損失の金額の計算に関する明細書その他の一定の書類の添付がある確定申告書を提出し、かつ、その後において連続して確定申告書を提出している場合であって、確定申告書にこの規定による控除を受ける金額の計算に関する明細書その他の一定の書類の添付がある場合に限り適用すると定められています。
※2 暗号資産取引業者への売委託により生じた損失の金額又は暗号資産取引業者に対して譲渡したことにより生じた損失の金額に限ります。
上記1.と2.の改正規定は、金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律の施行の日の属する年の翌年の1月1日以後に行う特定暗号資産の譲渡について適用することとされていますので、ご留意ください。
[参考]
改正措法38の2、38の3、所得税法等の一部を改正する法律附則1I号、1J、39、国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(情報)」(令和7年12月26日)など
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